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工業用水道事業の紹介

更新日:2021年03月31日

事業の主旨

伊丹市内では、昭和30年代後半から、市内東南部の猪名川を中心に工場進出が進み、生産用水としての地下水を過剰に揚水したことや、地層が大阪市や 尼崎市の地下水脈の上流にあることなどから地盤沈下することが予測されました。そのため、地下水の利用を工業用水道に転換することが必要不可欠となり、地盤沈下対策事業として地下水の代替水を供給する目的で工業用水道事業が発足し、昭和42年には一部地域に給水 を開始。翌年には全面給水を開始しました。昭和44年に工業用地下水の汲み上げ規制に基づく強制転換が行なわれた以降から現在まで地盤沈下は停止状態となっており工業用水道の事業目的を達成しています。

事業の経緯

伊丹市工業用水道事業は、地盤沈下対策として、 昭和36年に工業用水法の適用をうけ全市域が指定地域となりました。地下水の揚水量を基準に日量100,000立方メートルの給水施設を建設しましたが、昭和41年から着工された下水道の普及に伴い地下水が下水道料金に跳ね返ることから、水使用の合理化対策が行なわれ循環利用がなされました。その他、地価の高騰、公害対策問題に伴う工場移転によって、需要が減少し、 昭和44年度末22,100立方メートル/日の契約水量にとどまり、 将来需要増加は望めない状況となりました。加えて、経営状況も非常に厳しい状況であり、昭和44年度末 342,355千円の累積欠損金が生じることとなりました。こうしたことから、工業用水道事業の効率的な運営を期するため、50,000立方メートル/日の企業規模の縮小を図り、余裕水量の50,000立方メートル/日は、目的外使用の許可を得て、昭和46年3月上水道の原水として譲渡し転換すると同時に経営の再建を図りました。現時点では健全財政を維持していますが、企業の撤退による料金収入の減少等により、今後、厳しい経営環境が予想されるため、効率的な事業運営を推進しながら、施設の維持管理や整備に取り組み安定供給に努めています。 

ユーザーの概要

ユーザーの概要(令和5年3月末現在)
業種 給水件数

契約水量

(立方メートル/日)

食料品 5 8,800
飲料・たばこ・飼料 1 450
繊維工業 2 800
家具・装具品 3 1,710
化学工業 4 2,970
鉄鋼業 1 360
金属製品 1 310
生産用機械器具 3 620
電気機械器具 3 9,450
その他 6 6,092
合計 29 31,562

 

工業用水道施設の概要

伊丹市工業用水道事業は淀川の表流水を1企業団5市(大阪広域水道企業団、大阪市、神戸市、尼崎市、伊丹市、西宮市)の共同施設である一津屋取水場より取水し、取水場から1,650ミリメートルの導水管で13,578メートル離れた3市共同施設(尼崎市、伊丹市、西宮市)園田配水場へ導水しています。園田配水場の配水能力は322,000立方メートル/日(尼崎市172,000立方メートル/日、伊丹市100,000立方メートル/日、西宮市50,000立方メートル/日)で、このうち伊丹市100,000立方メートル/日は上水道用として50,000立方メートル/日、工業用水道として50,000立方メートル/日を市内各企業に給水しています。配水管は、1,200~50ミリメートルで総延長24,382メートルとなっています。

事業の特徴

本市工業用水道事業は給水開始以来約50年が経過し、初期の目的である地盤沈下の防止はもとより、産業基盤整備の一端をにない、国土保全ならびに工業の健全なる発展に寄与しています。

工業用水を運ぶパイプライン

この記事に関するお問い合わせ先

伊丹市上下水道局経営企画室経営企画課
〒664-0881伊丹市昆陽1-1-2(局庁舎2階)
電話番号072-783-1600 ファクス072-783-4609